FUJI Aca History Vol.17

前回は「小1の壁」ならぬ「中1の壁」について書かせていただきました。
今回はさらに「高1の壁」についても説明したいと思います。
①通学時間の壁
高校生になると、電車通学・バス通学をする生徒が増えてきます。
ドア to ドアで1時間以上かかる生徒もざらです。
中学までは自由に使えていた時間が2時間以上減る計算になります。
②部活動の壁
関東大家レベルや全国大会レベルの部活動もあるでしょう。
朝練やナイター設備があると、朝6:00登校からの夜19:00下校なんてこともざらで、家には寝に帰るだけの生活になる可能性もあります。
③授業内容の壁
高校の授業は先生の説明が中心で、授業中に問題を解く時間はほとんど与えられません。
問題を解くのは家に帰ってから自分でやらなければなりません。
中には予習が前提の授業もあり(特に英語)、予習を怠ると授業についていけなくなる可能性もあります。
④活動範囲の壁
高校生になると電車を使って街に繰り出すことへの抵抗感がぐっと減ります。
休日は友だちと遊びに出かける機会も増えることでしょう。
⑤実力テストの壁
中学までは埼玉県の同学年の生徒だけと競い合っていればよかった実力テストも、高校生になると全国の同学年の生徒たちと争わなければならなくなりますし、テストによっては浪人生たちとも争う場面が出てきます。
⑥偏差値の壁
北辰テストは純粋に平均点から偏差値を算出しているわけではなく、そこに独自の北辰係数をかけて偏差値を算出しています。
細かいことは私も分からないのですが、1つ言えることは北辰テストの偏差値は他の県の模試に比べると「偏差値が高くなりやすい」傾向があります。
しかし、高校生が受ける模試は純粋に平均点から算出したものです。
中学までは偏差値70を切ったことがないような生徒でも、高校で初めて受た模試で偏差値50台だった…、なんてこともざらです。
ここまで書くと、高校生の置かれている家庭学習の環境がいかに厳しいものかが分かりますね…。
本来は学習内容が1番難しいわけですから、家庭学習時間も1番取れていなければいけない時期だと思うんですけどね…。
つづく
【FUJI Aca 生徒 History Vol.17】
今回紹介するのは P くんです。
この子も開校とともに入塾してくれた生徒の1人です。
お母さま曰く、「勉強が嫌いで今まで塾に行きたいと一言も言わなかったのですが、『ここ(フジアカデミー)ならちょっと普通の塾とは違うみたいだし体験受けてみたい。』と子どもが言ったので連れてきました。」とのことでした。
「よし!そこまで期待されてるならやるしかない!!」とこっちも気合が入りました。
【北辰テスト】5科偏差値 9月5科42.7→12月3科47.5
【進学先】第1志望の花咲徳栄高校(偏差値50)に進学
結論から言うと、入塾スタート時の私のやる気は完全に空回りしていました。
「英語が苦手で…」という P くんの英語を何とかしようと、一生懸命単語を覚えさせようとしました。
でも、どうしても覚えられない…。
英語の点数も上がらない…。
入塾当初はやる気のあった P くんも、徐々にあきらめモード…。
しばらくして私は悟りを開きました。
苦手にばかりフォーカスするのをやめて、この子の得意を伸ばしていこうと。
お母さまとも相談をして、その後は英語のプレッシャーをかけるのをやめました。
そして暗鬼が苦手な P くんでも覚えることが少なく、興味を持って取り組めていた数学を伸ばしていくことに焦点を合わせました。
すると、数学で見事な結果を出すようになりました。
【北辰テスト】数学偏差値 9月43→12月55
1つの教科で成功体験を手に入れると、それが他の教科にも派生していきました。
【北辰テスト】理科偏差値 9月41→12月46
【北辰テスト】社会偏差値 9月36→12月46
英語は相変わらずでしたが、でもそれでもいいと思えるようになったことが私自身の成長を表していると、いま今振り返ってみてしみじみと思います。
苦手を克服させることこそが塾の仕事だと、私はそう思って仕事をしてきました。
しかし、そのバイアスが生徒を苦しめることもあるのだと知りました。
英語の弱点克服には貢献できなかったけど、それでもあんなに楽しそうに数学を勉強している P くんを見たら、自分の仕事はできたのかなと。
本来新しい知識を得ることは喜びであり、その過程である勉強は楽しんでやるものなのだと、それを私に気づかせてくれた P くんに私はとても感謝しています!