今回紹介するのは J くんです。
他塾に通っていた生徒なのですが、9月の北辰テストが振るわなかったことで転塾してきました。
こういう明確な意図をもって入塾してくる生徒というのは、こちらもかなりのプレッシャーです(汗)
というのも、10月入塾の彼に対して残り2カ月という短いタイムリミットの中で北辰テストの成績向上という目に見えた結果を出させなければいけないからです。
しかも彼は私立第1志望…。
彼の志望校に対するタイムリミットは12月北辰でした。
【北辰テスト】5科偏差値 9月56.0→12月62.4
【進学先】第1志望の独協埼玉(偏差値65)に進学
本当にまじめでちゃんと指示したとおりに勉強してくれた J くんは、なんとかリミットぎりぎりの12月北辰テストで単願受験の推薦基準に到達することができました。
ちなみにこの書き方だと何の問題もなくハッピーエンドとなってしまいそうですが、彼の受験までの道のりはそんなに平坦なものではありませんでした。
【北辰テスト】5科偏差値 4月56.4→6月63.3→7月62.7→9月56.0→10月60.0→11月59.5→12月62.4
こちらをご覧いただければわかる通り、1学期は順調に成績伸びていたんです。
ところが肝心の9月に大コケしてしまったので大慌てです。
9月に比べれば改善したとはいえ、10月・11月だって1学期のベストに比べればまだまだで、12月の北辰テストの前には深刻な表情で相談を受けたくらいです。
12月は本当にプレッシャーのかかる場面で、ベストではないにしてもよく基準クリアできるだけの成績を収めてくれたなと、彼の勝負強さには感嘆するばかりです。
さて、1学期に順調だった生徒が2学期に伸び悩む理由は何なのか…ですが、1つは問題の難化だと私は思っています。
北辰テストは5教科とも公立入試とほぼ同じ出題傾向で問題を構成しています。
が、最初から公立入試とまったく同じレベルの問題を出題しているかというともちろんそんなことなくて、4月から12月の北辰テスト全7回をかけてちょっとずつ問題の難易度を上げて公立入試に近づけていきます。
具体的に言うと、「国語や英語の文章題が長くなる→文章読解に時間がかかるようになる」「理科や社会の図や資料が増え説明が長くなる→情報処理能力が求められるようになる」といった具合です。
私はこの北辰テストの難易度の変化を【北辰曲線】と呼んでいるのですが、特にまじめで学力の貯金があって最初からある程度の偏差値が出せる生徒ほど、この北辰曲線に苦しめられます。
というのも、1学期は時間に余裕があって1問1答形式でバンバン正解にたどり着けていたのに、2学期になるとどんどん時間に余裕がなくなってきて、さらに知識さえあればいいわけじゃないんだよ、と正解にたどり着くまでに求められる力が変化してくるからです。
中3の夏期講習でいくら頑張ったからといって全員が劇的に成績向上を果たせるわけではありませんし、頑張り方にだって質を求められるのが今の受験界です。
そんなこともちゃんと知っておかないと、2学期になっていたずらにメンタル削られてしまいますので、正確に情報発信していかないとなと常に気を付けています。
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